広域連携で進める若者支援
横浜市の若年無業者(ニート及び失業者)(05年度国勢調査より)は、5万人を超えており、フリーターと言われる若者を含めると若年人口の1割程度となると推察されます。一人親世帯を中心として、20歳代から30歳代の生活保護受給者もこの10年間で3倍に増加しています。また、横浜市の市民意識調査(08年度)では、将来、自分の生活に起こり得るリスクとして、5割を超える市民が「食費や光熱費など生活に最低限必要な収入が確保できない」と答え、6割の市民が「心の健康を損なう」と答えています。市民生活に不安やリスクが広がっている今、あらためて困難層へのアプローチのあり方が問われます。
従来の経済・雇用施策の視点からの若者支援だけでなく、早い時期からの生活支援や学習支援を含めた中長期スパーンの支援施策も必要です。当然、教育、福祉・医療、雇用など分野の異なる関係機関や団体の連携も求められます。若者が生活に困窮している状況は、他自治体でも同様の傾向が見られますが、多くの自治体で、出口対策である経済施策からの一握りの層に対する支援策に留まっているのが現状です。
横浜市が関わってきた若者サポートステーション(厚生労働省の委託事業)の実践や、今年度市内4区で実施される困難を抱える小・中学生のための生活・学習支援モデル事業に見られる、個々の子どもや若者たち寄り添う支援は、今後のこども・若者支援の一つのモデルになるはずです。
6月には、大船駅そばに、「湘南・横浜若者サポートステーション」が開所しました。ここは、横浜、相模原、川崎に次ぐ県内4カ所目の若者サポートステーションです。横浜市の他、神奈川県、藤沢市、鎌倉市、茅ヶ崎市、横須賀市といった湘南エリアの自治体も連携し事業を支えていくべきです。神奈川ネットとしても、広域連携の形も模索しながら各自治体への働きかけを行っていきます。