社会福祉協議会への補助金をめぐる問題

公の支配に属するということは?

横浜市の福祉事業に役立ててほしいと市に寄付される1億3千万円を社会福祉法人横浜市社会福祉協議会に補助金として交付する「社会福祉推進事業」の補正予算が提案されました。横浜市社会福祉協議会は、この補助金を福祉基金に積み立て、基金の果実で福祉事業を行うとしています。

しかし、現在、福祉基金の果実は市社協の自主的な活動に活用されています、つまり、公の支配に属さない基金です。今日の本会議で、この社会福祉推進事業を取り上げ、横浜市社会福祉協議会が行う自主事業に補助金を充てることは、憲法89条(公金その他の公の財産を公の支配に属しない慈善に支出し、又はその利用に供してはならない)に抵触する違法行為ではないのか、市長の見解を尋ねました。

市長の見解は、横浜市社会福祉協議会は、法律に位置づけられた公の支配が及ぶ団体であり、違法性はないとの見解を示されました。
確かに社会福祉協議会は、社会福祉法に位置づけられた「地域福祉を推進する」という「公共性」のある団体ではありますが、民間事業者としての「自主性」も併せ持っている団体です。例えば、今年度の横浜市社会福祉協議会の予算では、介護保険事業収入20億円、その他に地域ケアプラザなどの指定管理料などの受託金が14億円計上されています。横浜市社会福祉協議会は立派な民間事業者でもあります。

過去には、横浜市西区に1億円の寄贈を受け、西区社会福祉協議会の基金に補助していますが、ここでも自主事業に活用していたことも解りました。問題の福祉基金については、現況は、横浜市の指導監督が及ばない基金です。
いずれも、横浜市に寄付されたお金ですが、どうしても、社会福祉協議会に事業を行ってもらいたいならば、基金を公の支配に属するような基金とすべきです。国でも独立行政法人などへの補助を想定し「補助金等の交付により造成した基金等に関する基準」を設け、基金の設置や基金事業に対する指導監督のルールを明文化しています。このような取組みが横浜市にも求められると思います。