良識の府としての参議院の役割

参議院選挙を終えて

昨年の政権交代以降初の国政選挙となった参議院選挙は、政策的争点も二大政党の対立軸も見えない選挙であり、民主党にとって厳しい結果となりました。

参議院選を前に、マスコミ各社は世論調査や獲得議席数の予想など選挙後も含めた情報を発信し続けました。消費税問題で支持率を落とした民主党執行部からは選挙期間中にも関わらず、選挙後の連立体制に言及する発言も飛び出し、鳩山前首相の退陣の直接的な原因となった基地問題や政治とお金といった問題も争点とされることはありませんでした。

政権交代が実現して、わずか11ヶ月。昨年の衆議院選挙で長年の自民党政権・官僚支配から脱し、政治の構造転換をはかることを選択した国民を置き去りにした政局選択選挙と言わざるを得ません。
今後は、衆参のねじれにより重要法案の成立も危ぶまれ、首相の交代、さらに、解散総選挙の可能性も言われていますが、政治の空白をつくる事は真に市民の望む結果ではないはずです。

本来、参議院選挙は政権選択選挙ではありません。昨年の選挙で民主党が掲げたマニフェストの実現に向けた取組みも緒についたばかりです。示された民意に応え、政策の修正や転換もはかり、財政再建への道筋を示すとともに、注目される雇用政策や経済対策、社会保障制度の再構築などに党派を越えて向き合うことが必要です。
さらには、参議院に期待されている「良識の府」としての機能がいかに発揮されるのか、参議院のあり方自体も論じられるべきではないでしょうか。
私たちは、ローカルパーティとして、今後も、具体的な政策テーマを通じて、ナショナルパーティに働きかけていきます。