廣瀬克也さんを講師に迎え、NET議会改革プロジェクトスタート集会を開催しました。廣瀬さんからは、制定が続く議会基本条例や、改革の検証の動きとともに、第29次地方制度調査会答申や、地方自治法の抜本改正の動きなど、国政の変化と法解釈の転換の動きをお話いただき、スピード感を持って進められている地方行財政検討会議の議論に対し、急ぎ自治体側からの提起を行なう必要性を確認しました。1月、地方行財政検討会議が発足し、地方自治法の抜本改正に向けた議論が始まっています。検討会議では、自治体の基本構造のあり方や自由度の拡大とともに、住民参加のあり方も検討されます。検討会議の議長である原口総務大臣は、地方議会制度の根幹である二元代表制にも踏み込んだ問題提起を行っています。ここには、多くの首長の意見が集約されています。
また、このところ、大阪知事の政令市を解体し30万人規模の「特別区」に再編するという「大阪都」構想と、より強い権限を持ったスーパー指定都市構想を掲げる大阪市長の対立に注目が集まっていますが、こういった大都市制度や基礎自治体の区分といったテーマについては、自治体議会での議論は不足しており、当然、首長や行政からの問題提起が色濃く反映された形で検討が進んでしまいます。議会サイドの一層の奮起が必要ですね。
私は、かねてから横浜市の都市内分権を進め、行政区は基礎自治体の機能を持つ、つまり、区議会をつくり、区長を公選することも検討すべきと発言してきたのですが、横浜市は、韓国ソウルのような特別市をイメージした新たな大都市制度を模索しています。一方で、区への分権、地域への分権を進め、大都市の住民自治・参加機能を充実強化も掲げていますが、公選による長と議会の合意に変わる住民合意の形成の場として、どのようなツールを想定しているのかについては明確に示されていません。
地方行財政検討会議では、直接請求制度や住民投票制度についても検討するとしています。直接請求は市民が条例提案できる唯一の手段ですが、最終的には、首長が意見を付して議会に提出するというルールがあり、住民の意思を直接自治体の運営に反映させる制度となっておらず、住民投票制度と合わせた見直しが必要です。
検討会議では、年内には議論をまとめ来年3月には法案を提出するとし、時間は余りないのですが、議会制間接民主主義と直接民主主義という参加のツールが豊かになる議論に期待し、ローカルパーティとしてのアクションに取り組みます。