なぜ広がらない?小規模多機能施設

議案関連質問報告 その1

2005年の介護保険法の見直しの際、目玉の一つだった小規模多機能型居宅介護事業が苦戦しています。すでに06年から3年間に整備促進のための事業を進めて来ましたが、横浜市の整備目標150施設に対し32施設の整備に留まっています。

「小規模多機能型居宅介護事業」は定額制のサービスなので、事業所に入る介護報酬はサービス量に比例しない、また、小規模多機能型居宅介護に登録すると、基本的に他の居宅サービスが使えないことから、利用者とのニーズのミスマッチがあり、利用者が広がらないといった懸念から、参入を躊躇する傾向が見られます。

施設整備や開設初年度の運営費の助成だけでなく、継続的に運営できる採算性を確保できなければ、参入は進みません。
運営やケア体制を整えるといったソフト面についてもバランスをもって取り組む必要があります。

横浜市では、今後、地域ケアプラザと連携したモデル事業に取り組む予定とのことですが、必ずしも「多機能」を1つの事業に集中させなくとも、地域にある多様なサービスをコーディネートしたり、ネットワークしたりできれば良いはずです。パッケージサービスからコーディネートサービスへ、ソフトを豊かにする発想の転換が求められます。