市長の交代は、施策の転換のチャンス。林新市長の政策判断に注目していたところ、「新市庁舎の建設は先送りすべき」との発言が報道されました。
横浜開港150周年記念事業の一環と位置づけられている巨大プロジェクト「新市庁舎」建設ですが、厳しい財政状況下で、プライオリティーは低いと、私も考えます。
道州制における基礎自治体の位置づけ 行政区への分権などが議論されている最中、30年後の横浜の都市のあり方をも拘束してしまうような選択は、余りにもリスキーです。
市長の判断に期待し、以下、申し入れしたことをご報告します。
横浜市長 林 文子殿
新市庁舎建設計画凍結についての申し入れ
横浜市長就任直後より、市民のため連日ご奮闘いただいていることに改めて敬意を表します。
さて、このたび、林市長が新市庁舎建設計画について、優先順位などの見直しを示唆されている旨、報道されています。
ご案内のとおり新市庁舎建設計画は、中田前市長が一昨年突如、UR(都市再生機構)所有の北仲通南地区の土地購入を決定したところから動き出し、今年度中に「新市庁舎整備構想」を策定するとされてきました。
しかし、今年4月に「新市庁舎整備を核とした事業手法検討委員会」が提言した案では、本市財政支出が30年間で1,506億円(横浜市試算)にものぼり、現在の庁舎機能分散の費用(年約18億円)と比べてもはるかに過大な負担が見込まれることが明らかになりました。
また、新市庁舎整備構想の提案募集後に「リーマンショック」に代表される経済環境の激変があるなど、民間の投資意欲を前提とした計画についての見直しも必須となっています。
その他、市民意見集約の不足や土地契約時の基金取り崩しのあり方など、様々な点について私たち議員としても繰り返し問題提起し、議会でも議論になってきたところです。
林市長は市長選挙において、市民目線で生活や福祉を最重点にしながら、経営者目線で財政再建に取り組むと訴えられました。
そのお立場からすれば、この新市庁舎建設計画の見直しに言及された事はまことにもっともであり、多くの市民の賛同を得られるものと私たちは考えています。
ぜひとも、今年度中に予定されている「新市庁舎整備構想」の策定については延期、または策定作業自体の凍結を含む計画の再検討をされますよう、ここに申し入れさせていただきます。
よろしくご検討のほど、お願い申し上げます。