まず、日本が、そして世界が、100年に一度の危機と言われる「分かれ道」にあるという時代認識に立ち、イギリス帝国の最盛期パクス・ブリタニカ、その後の世界恐慌から第二次世界大戦に突き進んだ世界の歴史を振り返りました。
そして、ヨーロッパ諸国やスカンジナビア諸国に比べ、社会的支出のGDP比の低い、日本やアメリカが、ジニ係数や相対貧困率では上回るというデーターや生活保障や雇用保障のデーター比較を行い、財政改革からセーフティネットを検証しました。また、現金給付よりもサービス給付を拡大することでセーフティネットを厚くし、就労に結びつけていくこと、セーフティネットを再編成することが、知識集約社会につながるといった「再配分のパラドックス」論もうかがいました。
第二次世界大戦後のパックス・アメリカーナの時代が終わろうとしている今、社会的セーフティネットを再編成し、ビジョンを持って改革を進める必要性を再確認しました。