都道府県議会議員共済会を含めた地方議会議員3共済会は、地方議会議員年金財政の長期的安定のための対応策を検討しています。
全国町村議会議長会・町村議会議員共済会の会長と全国市議会議長会・市議会議員共済会の会長は、議員年金財政の悪化の要因は、国が進めた市町村合併にあることから、合併特例法の規定に基づいて国に特段の措置を講ずるべきとし、「地方議会議員年金財政の急激な悪化に関する緊急要望」を連名で取りまとめ、昨年末、麻生総理大臣、鳩山総務大臣ほか政府関係者に対し、要請活動を行ってます。こういう意思はどこで決められるのでしょうか。
存続ありきで検討を進めている市議会議員共済会では、国会議員の議員年金のように、制度を廃止し現受給者への給付存続を行なった場合、1兆円(500億円/年×20年)のコストが必要と試算されています。また、すでに要望が出ているような掛金全額保障のためには「千数百億」かかるそう。あり得ない数字。合併や議員定数削減によって行革を進めると言って来た議員も多いはずです。
間もなく始まる総務省の検討会には、3つの共済会も関わるようですが、検討メンバーに共済会の関係者が名前を連ねるのはおかしいと思います。共済会は議員年金の支給を目的に事業を行う法人で利害関係者ではないでしょうか。政策判断に利害関係を持ち込むべきではなく、まず、検討メンバーを検討すべきです。
市議会議員共済の収支状況の推移
99年度に50億の赤字を計上して以来、収支状況は悪化の一途をたどり昨年は200億円の収支不足。ピーク時(98年度)に1270億円あった積立金は昨年度末で447億円。あと3〜4年でゼロになる
会員・年金受給者の推移
市議会議員共済の会員数は、06年度の26、640人をピークに減少に転じ08年度は22、142人。一方、年金受給者は一貫して増え続け08年度には遺族年金受給者(23、267人)も含めると63、349人。今や、現職議員1人が2.86人分の年金受給者を支えている。(この数字は「成熟度」と呼ばれている。成熟度が高まると制度は維持できないことになる)