二元代表制の地方議会において、独任制機関の首長と合議制機関の議会の異なる特性に触れ,市民の多様な利害を市政に反映させるためにも、首長との関係において議会の批判 機能の重要性も確認されました。
今後に向けては、決定機関としての議会と執行機関としての首長という機能・機構を分立させるよりも、立案・決定・実行・評価というプロセスの責任を多様に担い合う考え方「権限調整条例」のような自治体独自のルール化も視野に入れた議論も提言されました。
翻って、私の暮らす横浜市は360万人市民にひとつの議会。物理的にも市民の意識としても議会が遠く、議員の名前や他区の課題がわからない、事業のチェックや優先順位もつけにくいという実態があります。また、二元代表制とは言え、市長の権力は大きく、議員内閣制のような会派主義の強い議会となっています。当然、人口1万3千人の栗山町議会の実践や既成の議会基本条例の理念や枠組みをそのまま横浜市に当てはめる事はできません。議会の外側で、市民の要求も「ありがたい条例」をつくることではないように思います。自治法を始め、あらゆる法制度の想定外の自治体に暮らす私たちにとっての「自治体再構築の展望」とは、自治を手にするために、コミュニティをつくる実践と大都市分権を進めることです。