地下鉄「車両更新」

決算委員会レポート その2

横浜市営地下鉄の1000形は廃車にして3000R形に更新し、2000形は3000S形に改良が行われていますが、1000形の更新に112億円(8編成)、2000形の改良に40億(8編成)の費用がかかっています。(他社の車両の更新コストと比較すると、若干、高めになるそう。)
相鉄線や東急線、みなとみらい線などでは、JRの量産型車両をベースに共通化を図りコストダウンを実現しています。市営地下鉄でも他の第三軌条方式の鉄道路線等との規格の共通化は進められれば良いのですが、車両のサイズが微妙に異なり難しいようです。
短寿命でも低コストの新型車両を次々と更新する鉄道事業者もいれば、阪急のように改修しながら長期間同じ車両を使い続ける鉄道会社もあります。さて、市営地下鉄の車両更新ですが、50年(12万キロ/年間)をめどに更新されたいとの答弁。
車両更新は多額のコストがかかり、減価償却費への影響が大きいのですが、一方で、車齢が高くなれば補修コストもかかかるので、耐久性を下げても軽量化し消費電力を節約するという考え方もあります。市営地下鉄では、省エネタイプの新型車両の導入を行ったことで、年間7000万円のコスト削減ができたそうです。市営地下鉄の2000形については、20年余りの使用ですべて姿を消し、まだまだ走れた、もったいないと感じられた方もいらっしゃると思います。意見の別れるところかもしれません。「車両更新は50年」という答弁を聞くと、「やはり2000形の引退は早かったのではないのか」の思いが残ってしまいます。鉄道はエネルギー消費量やCO2の排出量が少ない優れた乗り物と言われています。これから、ますます、選ばれる鉄道になるためにいろんなアイディアが必要です。
現在、道路特定財源の一般財源化の議論もされていますが、公共交通を生かしたまちづくり、例えばパーク&ライド方式への助成などに活用していくような考え方もあって良いのでないかと思います。交通局には、バス事業者としての主張もあるとは思いますが、マイカーから公共交通へという流れをつくるために、他局とも連携しながら新たな財源確保に向けて、国への政策提案も積極的に行ってもらいたいです。