〜まずは、コムスン事件から考える〜
公的サービスに民間が参入することで、サービス量は拡大されてきましたが、一方でその責任のあり方は、曖昧です。コムスン事件も、事業者への批判とともに厚生労働省の判断に注目が集まりましたが、保険者である各自治体の責任がクローズアップされることはありませんでした。
自治体の責任が問われた耐震構造疑惑事件でも、建築確認や完了検査を行う民間機関に対するチェックシステムと行政の責任が問われました。官から民の流れの中で「民・民」の関係性の中で起こり得る問題に対するセーフティネットが求められています。現在、介護保険制度の中で行われている第三者評価システムや情報公表制度も見直しが必要です。
〜介護保険の理念が揺らぎはじめている〜
給付抑制や自立を促すという名目のもと、介護の社会化、家族への支援という理念が揺らぎはじめています。財源不足に対し、給付を抑制するのか、保険料を見直すのかという選択は、制度への信頼にかかわる問題です。将来、使えるサービスでなければ若い世代は未来に投資できません。目の前の課題である良質な介護労働力を育てるためにも財源の議論が必要です。
これらの問題意識を、地域の事業者の方たちに投げかけ、ヒアリングを進めていきます。