〜動物園が大好きな知人の話〜
その昔、リゾート施設に併設された動物園で夜の動物園を体験。オリの柵に迫り、猛々しく響くライオンの鳴き声、プールにボチャーンと飛び込むカバの姿が忘れられないと言っていました。私も、幼い頃、ウサギを抱っこしてお腹を蹴られてウサギを投げ出した徳山動物園が忘れられません。昨年度、北海道の旭山動物園の入園者数が、350万人となり、上野動物園に次いで2位になったという報道がありました。同時に、珍獣だのみの動物園の限界も伝えられていました。動物の生き生きした行動や生活をみせることが成功につながったと言われれる旭山動物園の主人公は普通の動物だそうです。
先日、よこはま動物園では、キンシコウの赤ちゃんが誕生しましたが、7年契約で、100万usドル(当時レートで1ドル=81円)で中国からレンタルされた希少動物です。金沢動物園のコアラも10頭の餌代だけで1億のコストがかかりますが、コアラもキンシコウも「友好の印」でお返しするわけにはいかないとのことです。
横浜の動物園行政には「種の保存と保護」を行う方針もあり、絶滅の危機にあるカンムリシロムクを繁殖させインドネシアに贈るという事業が進められています。意義深い事業ですが、現地の方が国内で自ら種の保存に取り組めるような支援のあり方に転換することも考えられるのではないでしょうか。
動物たちの生活の場を保全するということは、地球規模で取り組む課題。水や空気や大地を汚し、森林を伐採し、地球温暖化も食い止めることができないでいることが問題なのだと思います。
さて、横浜の動物園は一体どこを目ざすのか。3つの動物園の運営を一体化させスケールメリットを生かすということ以外に、動物園のコンセプトや中・長期計画は示されないままです。3園堅持ありきではなく、様々な役割を課すのでもないシンプルな動物園のあり方を提示するとことから始まると思います。