少子化を食い止めるためには、「女性に頑張ってもらうしかない」とすれば、国は何もやれませんと言っているようなものです。さらに、柳沢氏の「結婚し2人以上の子どもを望むというのが健全な状況」という発言。この大臣には期待しません。
単一化された家庭像、理想の母親像が語られ「そうじゃない、そうなれない」若い世代を苦しめていることに気付いてほしいです。
婚外子の割合が生まれた子どもの半数近くに達するなど、多様な家族形態を受け入れてきたフランスの出生率は、昨年2、0%まで上昇しEUのトップとなりました。出産期女性の労働力率は80%、きめ細かい家族手当、35時間労働制(男女とも短い労働時間)、多様な保育サービスなどが出生率を支えています。
内閣府では「仕事と家庭生活の調和」に向けた「子どもと家族を応援する日本重点戦略検討会議」という審議会をスタートさせるそうですが、「家族」を社会を構成する基本単位として捉える発想に限界を感じます。
首相の施政方針でも「仕事と家庭生活の調和」について触れられていますが、テレワークや子育てしながら再就職を希望する女性に対するマザーズハローワークといいった施策が並んでいます。「仕事と生活の調和」を図る上では、前提となる働き方の見直しや性別役割分業社会を変えていくという視点が不可欠です。男性も女性も自由な選択肢を持って,生き方・働き方を選べる社会、「個」を大切にする社会に向けた制度づくりこそが求められているはずです。