定時制入試をめぐる混乱
今年度の定時制高校の入試において2次募集が3倍の競争率となり、その結果横浜・川崎市域の普通科で大量の不合格者が出てしまいました。この事態を受け、3次募集も実施されましたが、普通科を希望する場合、小田原や平塚、秦野といった遠方の定時制高校を選択しなければならず、通学が非常に困難なため に進学をあきらめなければならない子どもたちが生まれました。
定時制高校は、いろんな課題を抱える子どもたちの「居場所」としても、小規模で、少人数のクラス編成が評価されてきました。
4クラス編成で定時制高校としては、規模の大きい戸塚高校では、今年はさらに定員を20人増やし対応しましたが、現場の負担は大きいと聞いています。今回、全日制に入学できなかった受験生が定時制に殺到してしまい多くの不合格者が生まれた背景には、入学定員の問題あるのではないでしょうか。
2004年度の中学卒業者が969人減少することに伴い、県教育委員会は、昨年も定員枠に対して進学実績が2000人以 上下回っている私学の定員枠は1人も削減することなく、公立全日制高校定員枠を969人削減するという対応を取りました。
今回、定時制高校への進学をあきらめざるを得なかった子どもたちの中で、次年度の入試に向けてチャレンジを始める子どももいます。学びたいという子どもの気持ちを尊重した高校定員枠の議論を期待します。