じっくり聴きました。「ぴっかりカフェ」のこと〜市民社会チャレンジ基金交流会2018〜

今年も無事に市民社会チャレンジ基金交流会を終えることができました。交流会には市民社会チャレンジ基金の第26期の助成団体の皆さんを始め、これまでの助成団体、議員や労働団体の皆さん、生活クラブ運動グループの皆さんも参加いただき、多様な市民活動や政策形成活動に取り組む方々と分野を超えて親睦を深める機会となりました。

◆第26期市民社会チャレンジ基金助成団体の皆さん NPO法人パノラマ/特定非営利活動法人FUNSHINE/NPO法人きららクリアポート日中一時支援事業所/エイムワイ/特定非営利活動法人リンクトゥミャンマー/さっちゃんち/NoRa/NPO法人Wish


助成団体を代表して活動報告をくださったのはNPO法人パノラマ石正弘さん。
「Twitter炎上しました。」「図書館でカフェなんかやって …1人で本読みたい子が来れないって言われて…。」そんな事情もあって「もっと知ってほしい、伝えていきたい」という想いも語られた石井さんの講演。ジャストタイミングでぴっかりカフェのお話を聞くことになりました。
関わってきたのは福祉未満、就労未満という若者たち
パノラマは、2015年第23期に続く2度目の助成です。前回は、県立クリエイティブスクール田奈高校(青葉区)の図書館カフェかから始まる交流型相談・予防型支援のモデル事業の立ち上げに当たっての助成。今回は、こうした取り組みをもとに、全国5ヶ所で自治体や高校関係者、NPOを対象にフォーラムを開催し、新たな取り組みを拡げる活動への助成です。
「関わってきたのは、福祉未満、就労未満。つまり、福祉の岸にも労働の岸にもたどり着けない 状況にある若者たち。私たちは中洲にいて支援している 。」という石井さん。そんな石井さんのお話のなかで、心に留めたい3つのことを記しておきたいと思います。
「中洲を立派にしても意味がない」
毎年約15万人近い高校生がなんの職業経験も持たず不安定な状態で社会へ 出て行く。だから、中洲を立派にしても意味がない 。「上流」で堰き止める、そして、岸にたどり着くためのブリッジをかける支援と政策が必要。
「文化資本は目に見えないフックとなり社会資本に引っかかる」
美味しいもの食べる。綺麗な景色を見る。色々な経験によって「 文化フック」が生えてくる。経済的資本がないという状況は、経験する機会が得られない、文化資本や社会資本が得られない状況でもあり、社会的孤立にも繋がる。カフェで文化資本を提供したい。
「役割のシャッフル」
学校に地域の大人がやって来る。ジュースを飲みながらお菓子を食べながら大人たちと関係を持つ。交流相談の場で教え、教わる。 与え与えられる 。多様なロールモデルに出会う。大人も子供も成長する。子どもが 大人に心を開き社会に期待する。これは自立の一歩。
石井さんは、リターンが大きい時期に若者とどう向き合えるかが重要だと言います。日本には困る前の支援がない、困ってからの支援ではなく、無限の可能性がある若者に支援する意味は大きいと締めくくられました。石井さんは、「全国に170箇所のサポステを 作る前に学校にユースワーカーを置く方が細やかなセーフティネットになると思う」とちょっと刺激的な発言もされていましたが、サポステとユースワーカーのどちらかを…ではなく、岸にたどり着くブリッジはいくつもあった方が良いと思います。
そうそう、その後Twitterにはポジティブな投稿も並んでいるそうです。私も、パノラマのチャレンジに注目、そして期待しています。