「自分らしい生活と暮らしを考える」~丸投げしない!ケアプランの実践に学ぶ~

 全国マイケアプラン・ネットワークの須田正子さんと、橋本 典之さんをお迎えし「丸投げしないケアプラン」の実践に学びました。
 マイケアプランは、自分らしい暮らしや生き方を自分で考え組み立てていく作業です。ケアプランを作成することで制度の理解が深まります。介護予防効果も期待でき、副次的な効果として給付の抑制効果も見込まれるのではないかと思います。
 とは言え、ケアプランの自己作成に対しての自治体の受け止めは、決してオープンマインドとは言えない状況のようです。例えば、全国マイケアプラン・ネットワークが実施した調査に回答した896保険者のうち介護保険パンフレットに、ケアプランが自己作成できると記述している保険者の割合は22.1%に留まるという結果でした。

 事業者も、度重なる制度改定により、事業をいかに維持していくのか、加算主義の制度の中で、いかに加算を取って行くか、といったことに目が向いてしまい、利用者中心に考えられなくなっているのではないかという問題提起もありました。
 
  来年度の制度改定では、要支援1・2の認定者について、介護保険給付(予防給付)から、訪問介護と通所介護を外し、地域支援事業を再編成することや、特別養護老人ホームの入所対象者を原則要介護3以上にすることなどが決まっています。総合事業の姿は未だよくわかりませんが、先日公表された介護予防・日常生活支援総合事業のガイドライン(案)には、「ケアプランの自己作成に基づくサービス事業の利用は想定していない。」とする文言も入っています。改定を重ねるたびに自己決定ができない制度になりつつあるようです。
 あらためて、介護保険制度の理念である利用者主体の実現に向けて、私らしく生きたい、地域を大事にしたいという思いや、実践を広げていきたいと思います。