横浜市子ども・子育て会議を傍聴

 17日、2014度第1回横浜市子ども・子育て会議が開催され、各部会の報告(子育て部会、保育・教育部会、放課後部会)や、各種基準案に対する意見のとりまとめやが行われました。基準案については、間もなく市民意見募集が実施され、9月議会に条例案が提案される予定です。

 各部会で、「一人ひとりの子どもが健やかに成長することができる社会の実現を目指す」という新制度の理念を踏まえた検討がなされたものと思いますが、一方で、現実的な対応をせざるを得ない状況も伝わってきました。

 例えば、面積基準について、横浜市においては、現行の幼保連携型認定こども園や保育所が既存の施設のまま新たな幼保連携型認定こども園に移行する場合には、「当分の間、0歳児及び1歳児1人につき 2.475 m²以上とする」としています。 国は、参酌すべき基準として、0歳児及び1歳児1人につき1人につき3.3 m²以上としており、委員からは「当分の間」とはどの程度なのかという質問もありました。しかし、待機児童を抱えている状況もあり、その問いに答えるのは難しそうでした。

 また、保育の必要性の認定に関する基準について、自治体の判断で、月48時間~64 時間の範囲内で就労下限時間を設定することになっていますが、結局、現行通りの64 時間という案が提示されました。担当課長からは、2015年には保育所定員を61,107人分拡大を図る予定であるものの、62,476人の利用が見込まれ、1,369人分の定員枠が不足するというシミュレーションも報告されました。このような状況で就労下限時間を緩和することは考えられないということでしょうが、昨年度実施したニーズ調査からも短時間就労のニーズの高さが明らかになっており、一時保育の受け皿もづくりにもしっかり取組んで欲しいと思います。
 さらに、放課後児童支援員(指導員)について、さまざまな資質や能力を求められており、それに見合う人件費補助の拡充の必要性を指摘する意見も出されました。これも重要な指摘です。

 教育・保育施設や地域子ども・子育て支援事業についての量の見込みを記載した計画素案は秋以降に公表される予定です。現在、市民意見交換会や、利用者説明会も始まっていますが、会議のやり取りから、市はすでに詳細にシミュレーションを進めているなという印象も持ちました。意見交換会で出された市民意見や事業者からの提言はどこまで計画に反映されるのか、今後も注視していきたいと思います。