生活援助「45分」?生活見えてますか?
4月から、介護保険サービスの訪問介護のうち「生活援助」の時間区分が、1回あたり60分から45分に見直されました。生活援助とは掃除、洗濯、調理、買い物など在宅生活を支えるサービスです。昨日は、横浜市への福祉政策提案に向けて、ケアマネやヘルパーの皆さんと、あらためて「生活援助」について意見交換する機会がありました。
訪問介護の現場は、洗濯しながら掃除や食事づくりを行うといったまさに「ながら仕事」です。さらに大事なのが利用者さんの「話相手」。やりとりを通じて、日々の生活や健康状態を聞き取ることもできます。ヘルパーの訪問を待っている一人暮らしのお年寄りは、まず話がしたくて、ヘルパーを追いかけて話し続けられるそうです。ヘルパーがお風呂掃除をしていると、イスを持って来てそばに座って話をされて、水を流すこともできなくて…といった事例や、話を遮ってしまいそうで掃除器のスイッチを「on」にすることもためらうってしまうという事例、また、冷蔵庫を開けて、食材がこれだけしかない!という時の知恵を絞った驚きのメニューもうかがいました。「生活援助45分」という枠組みは大変窮屈なものなのですが、何とか対応している状況のようです。
工夫しながら家事をこなしてきた女性は、順応性が高く、コロコロ変わる介護保険制度にも何とか対応してしまっているようです。でも、もう限界です。女性がアンペイドワークで支えて来た介護、特に生活援助サービスの価値や可能性を正当に評価するためにも、今後も多くの事例、現場のニーズをまとめていきたいと思います。