コストパフォーマンスの高い節電対策を

市内200校で高効率照明「FHF蛍光灯」を導入!

今年4月以降、大口電力需要者に対して17%の値上げが行われ、神奈川県は、県施設全体で年間約10億円の負担増と試算しました。 横浜市も同様に20億円の負担増、市内企業も含めると200億円以上の負担増と試算しており、この夏も地域の節電アクションが求められています。
県は、先頃、「平成24年度夏期(7月〜9月)の電力・節電対策基本方針」を公表しましたが、県自らの取組みとして、電力使用量及び使用最大電力を平成22年対比で、庁舎系施設 ▲15%以上,県施設全体 ▲13%以上とする抑制目標を設定し、引き続き、県民・事業者・市町村等と連携した取組を推進するとしています。

県は、昨年10月から11月にかけて、働く人たちから見た昨夏の節電対策の実態把握のために、県内356事業所(労働組合)に対し「職場環境に関する夏期節電対策実施結果アンケート」も行っていますが、回答のあった200の事業所全てが節電の取組みを実施していることが報告されています。
取組みの多い節電項目としては、製造業・非製造業ともに、「照明の減灯」、「エアコンの設定温度の引き上げ・抑制運転」、「パソコンのスリープモード活用 等」が上位3つを占めています。ほとんどの事業所で照明の減灯に取り組んでいますが、減灯により職場が暗くなり、作業能率の低下を招くといった意見も出されています。照明のLED化に取り組んでいる事業所はありますが、19%に留まり、自由意見のなかでも、「照明のLED化を検討したが、費用面で断念する企業が多い。」といった記述もあるなど、民間事業所ではコスト面の課題からLDE化の推進は難しいようです。市町村もまた、同様の課題を抱えています。

節電対策、照明器具の切り替えについて、いくつかの自治体にヒアリングを行ったところ、注目すべき取組みもありました。横浜市では、市立小中学校511校の照明器具について、経年劣化してきた施設から交換をしており、現在200校で従来型の蛍光灯からFHF蛍光灯(LEDと同程度の省エネ効果があり、価格は1/2)に切り替えられています。県立学校数は、養護学校も含めて171校。スピード感を持った対策が求められます。節電効果に加え、経費削減効果も数値化し公開すれば、市民・事業者の節電に対するインセンティブも高まるはずです。

経済産業省の電気料金審査専門委員会では、東京電力の家庭向け電気料金の値上げ申請を受け審査が続いています。昨日の委員会では、福島第一原発5、6号機、福島第二原発の稼働を前提に、その経費も原価に計上していたことも明らかにされています。
電力料金を構造的に下げるためにも、電力不足の懸念を払拭するためにも、省エネルギー・省電力型社会へ移行する取組みを加速させなければなりません。

※ 県施設における平成23年度夏期の抑制実績(平成22年対比。上水道及び下水道施設を除く)
電力使用量・・・・・・庁舎系施設▲29.4%、県施設全体▲23.5%
使用最大電力・・・・庁舎系施設▲29.0%、県施設全体▲29.5%