かながわスマートエネルギー構想は、2020年度に県内の電力消費量に対する「創エネ」と「省エネ」の割合を「蓄エネ」と組み合わせることにより20%以上の水準まで高めることを目標としていますが、当面の4年間は、ピーク時の電力不足対策を最優先課題として取組むこととされています。
かながわスマートエネルギー構想にかかる予算額は、29億4,382万円で、内訳は、創エネ施策に24億5,735万円(83.5%)、省エネ施策に3億1,632万円(10,7%)、蓄エネ施策に1億7,015万円(5.8%)が振り分けられています。
事業予算の「1割」の省エネ予算はではありますが、注目すべき取組みもあります。県警本部では照明の一部をリース方式で更新することで、初期投資なしで6700本のLED照明への更新を行う事業予算が計上されました。
業務用・産業用の電力の使用割合は照明が約3割、空調が約4割を占めており(夏期最大電力使用日の需要構造推計:東京電力管内/平成23年5月 資源エネルギー庁)照明と空調の節電に取り組むことが効果的であることが解ります。経済的なメリットも大きく、民間企業ではリース方式での導入が一般化しています。照明については、省エネ効果も高く価格もLEDよりも安価、すでに技術的にも安定しているFHF蛍光管であれば、導入のハードルも下げられるのではないでしょうか。また、国では、高効率ガス空調設備の導入を支援する方針も示しています。県としても、太陽光発電導入補助金と他の施策への導入補助の効果を比較検証することや、公共施設においてさらなる照明、空調設備の見直しを進めることが必要だと考えます。
予算案では、事業者に省エネルギー対策を促す目的で実施されている温暖化対策計画書制度の対象事業を拡大することや、中小規模事業者への省エネルギー支援事業も実施されますが、さらに、省エネ・新エネ機器をリースで導入した場合リース料を補助するなど多様なスキームが検討されるよう提案していきます。
県と県内市町村は9日、企業向け電気料金を4月から値上げ(平均17%)する方針を示している東京電力に対し抗議し、影響を受ける企業への配慮と内容を見直すよう要請したところです。
原発に依存しない、再生可能エネルギー中心の社会に向うためにも、省エネルギーの推進は大前提であり、今年夏に策定される国の「エネルギー基本計画」においても、省エネルギーに関する明確な目標が設定されるべきであり、自治体においても、官・民が連携しエネルギー効率の改善をはかり省エネを進めなければなりません。