彼らの収入構造を見ると、本人の収入のみと答えた人は15,8%、独身で本人と親の収入と答えた人が50,3%です。また、4人に1人が、健康保険、年金保険、雇用保険に未加入です。自立できない若者を比較的余裕のある親世代、いわゆる団塊の世代が支えているという構造が見えます。自由筆記欄には、そんな親世代の不安も綴られています。しかし、労働に関する相談機能に期待しないという割合は53%にも上ります。
それでも、神奈川県の労働相談機関への件数は前年よりも約3割増加しています。特にパート等非正規労働者からの相談の増加や、比較的小規模な企業に係る相談の割合が高いなどの特徴があります。県のかながわ若者就業支援センターには、国のハローワークが併設されキャリアカウンセリングから職業紹介まで、一貫して提供する取組みも始まっているようです。また、横浜市の就労相談・支援機関は連携会議を持ち、ケアカンファレンスに近い形でのチーム支援体制も模索しています。
就労支援や自立支援には、カウンセリングやフォローアップという長期にわたるサポートが求められますが、こういった相談・支援事業は、民間に委託されており、ほとんどが単年度契約によって行われています。これらの事業には専門性も必要とされますが、そのノウハウをいかに自治体施策に取り込んでいくのか、継続性をどのように担保するのか、また、福祉施策とも連携するセーフティネットの視点も必要であり、担当部局と委託先との関係に留まらない総合的な施策にいかに繋げて行くのか、といった課題も見えています。引き続き、政策提案に向けて取り組みます。