産む前も産んだ後も安心な横浜に

 分娩を取り扱う医療機関の減少が、全国的な問題となっています。久々に4人目の出産を控えた友人も「産む場所がない…」事を実感したそう。お連れ合いと助産所を見学し、助産所を選んで出産する方も増えていると話していました。また、別の友人からは、娘さんの出産にあたり、ようやく見つけた助産所が川崎市で、妊婦健康検査費用補助券が使えない、県内の他の自治体では市域を超えた助産所でも補助券は使えるのに横浜はどうして使えないのかという問い合わせもありました。そこで、他都市の調査も行い、制度の見直しを提案してきましたが、10月1日から、市外の助産所でも妊婦健康検査費用補助券が利用できるようになりました。

 4月からは、妊婦健康診査費用の補助の回数が、5回から14回に拡充されています。これは、少子化対策の目玉として緊急経済対策に盛り込まれた臨時特例交付金を活用したものですが、2010年までの時限的措置。自治体としては、一度スタートした事業をどのように継続するか、正直、頭を悩ませているのではないでしょうか。少子化対策というのならば、長期的な対策が必要です。
 10月1日からは、出産育児一時金も増額されます。目まぐるしく変わる医療制度。これも医療現場にとってはストレスだと思います。

 それよりも、まず、産む場所がないことを何とかしなければならないはずなのですが…横浜市では、毎年、産科医療の実態調査を行なっています。昨年の調査では、08年度中に分娩の取り扱いをやめると解答した施設が1病院、1診療所、2助産所あり、また、出産を取り扱うと解答した施設の中でも2病院、3診療所が分娩件数を減少させると解答していました。
 市では、医療機関が病床を設置・増床する場合に、産科病床に対して優先的に配分を行うことや、女性医師の確保対策事業などに取り組んでいます。しかし、今年の調査結果を見ても、年度当初の施設数はやや減少しています。また、分娩を取り扱う病院・診療所における医療従事者の充足状況についても、前年よりは改善したものの、以前として必要人数を下回っているようです。

 安心して出産できる環境を整備するためには、産科医不足の原因となっている過酷な労働状況の改善、訴訟リスクの軽減など、もっと、根本的な問題の解決をはかる必要があります。この間進められてきた医療制度改革の課題も、そろそろきちんと検証すべきだと思います。
 そして、「産んだ後も安心な横浜」でなければです。産後支援ヘルパー制度の復活に向けてもアクション継続中です。