ミニフォーラム「移動困難ケースへのサポートシステムを考える」

18日、送迎・介助サービスを提供しているNPOや障害児の居場所事業に関わるメンバー、学校の先生も参加され、学齢期の子どもの通学支援の課題や制度の検証を行ないました。

特別支援学校(養護学校)の小学部 · 中学部の児童・生徒の通学については、スクールバスが利用できることになっています。しかし、過大規模化という問題を抱える特別支援校。「バスに乗れない」「自家用車で送迎している」という保護者の声も聞きます。
横浜市の通学支援事業は、教育委員会の「学校生活支援員(介助員)」事業で、市立特別支援校含む市内小中学校に通う子どもたちが利用できます。しかし、県立の特別支援校は対象外となっており、ここは健康福祉局のガイドボランティア事業が対応することになっています。

いずれの制度もサービスの担い手が広がらず、ボランティアの手配・コーディネートは当事者の親が行なっています。「5人のボランティアにあたってようやく手配できた」「急な依頼はしづらいなど」といった保護者の声も聞かれます。
それに対して、ガイドボランティア制度を柔軟に運用しNPO車による通学支援を開始した県立特別支援校もあります。

横浜市障害者プラン(第2期)の策定に向け、実施されたアンケートでは、日常生活で困っていることの第一位は「外出が困難」です。これを受け、次期プランでは、プロジェクトが設置され移動支援施策体系の再構築の検討が予定されています。
自治体や営利事業者が担いきれない福祉移動サービスを非営利市民活動団体やボランティア団体が担い、その活動の広がりにより、「移動の自由」という権利がクローズアップされてきました。「福祉有償運送」は、04年に道路交通法のガイドラインに位置づけられましたが、当時、神奈川ネットワーク運動でも、各自治体議会で運営協議会の設置を働きかけた経緯があります。移動の自由を実現するために、一人ひとりのニーズに応じた福祉移動サービスが提供されるように、地域で暮らすこと、インクルージョンを支援するためにも、地域活動を実践している団体とともに検討を進めてほしいと思います。

(今年度の予算:学校生活支援員44,697千円、ガイドボランティア56,300千円(12回/月の利用制限あり))