2008年度に予定されている「一時預かりパイロット事業」の利用料金は、「子育てサポートシステム」を参考にし、1時間あたり800円とされる予定です。そこで、今回、予算特別委員会で、一時預かり事業について取り上げた際、子育てサポートシステムの利用状況も調べてみました。(資料−子育てサポートs)2007年度の活動援助実績を見ると、対象児童数の違いもありますが、活動援助実績の多い区では、4000件を超える実績があり、平均すると2000件程度の活動件数です。ところが、瀬谷区の活動援助実績は372件、鶴見区の活動援助実績は476件となっており、一昨年も同様の傾向が見られました。
都市経営局の横浜会議で検討された生活困難層への生活支援システムのあり方研究に瀬谷区が事例に取り上げられているのですが、生活保護受給率が20‰、児童手当の受給率も77.9%と18区で最も高い数字です。鶴見区も73.3%と瀬谷区に続く受給率です。この調査研究の中では、対象者の困難課題のトップは「育児子育てに問題あり」で34、9%をしめています。虐待を受けているが18.3%、虐待をしているも14、4%となっています。
こども青少年局としては、こういった状況と子育て支援事業実績がリンクするとは考えていないとのことですが、利用料金の問題のみならず、当事者のニーズ発信力やコーディネートの問題から支援が必要な人にサービスが届かないという状況があるように思えます。
一律のサービスだけでは充足されないニーズがあり、地域の特性に対応した施策が求められています。事業数を拡げることで一つ一つのサービスが希薄になってはいないかを検証してみる視点も必要です。パイロット事業によって利用ニーズや実施手法を検証する際も、横浜市に1カ所の事業では検証は難しいでしょう。一時預かりパイロット事業についても、予算を拡大してでも複数箇所で実施されることも検討すべきです。