「議会改革」はニュートラルな立場で進めたい

政争の具にしないでね

景気回復も実感されず、貧困層の拡大さえも伝えられるなか、連日の「政治とお金」をめぐる問題は、政治不信を広げています。あらためて、政治資金のあり方や特権と揶揄される制度、そして、議員の政治姿勢を問う声が高まるのも当然です。横浜市会では、選挙の影響もあり、費用弁償問題のように政党・会派の主張が変化し合意がはかられたもの、あるいは、政務調査費問題のように議論の入り口に立ちつつある課題もあります。しかし、制度そのものの議論を離れ「政争の具」となっていると言わざるを得ない状況を感じています。
今議会に出された「議員の海外視察(旅費)を廃止し必要な視察は政務調査費で行うことを求める」請願をめぐる議論はまさに、その様相を呈していました。海外視察をめぐって、観光まがいであるという批判とそうではないという主張がぶつかり合いました。
私は、海外視察の必要性は否定しません。いかに政策形成に生かされたか、「観光まがい」かどうかも含め、市民へ判断材料を提示できるシステムにすべきと考えます。
まず、海外視察の必要性、視察報告などの情報公開の推進、現行制度の*資格要件や旅費の限度額の見直しなど具体的な議論をしましょう。政務調査費で対応するというのは、いささか乱暴な議論です。本来、議員個人に支給すべき政務調査費の多くが会派に支給されています。視察目的によって会派を超えて視察団を編成できる海外視察制度とは整合性がとれません。また、政務調査費に入れこんでしまうと、領収書の添付の義務も、詳細な報告の義務も無くなってしまい、今まで以上に情報が閉ざされてしまいます。以上の理由から、この請願は不採とすべきという判断をしました。
日常的に、議員間で改革の合意をつくる努力が求められるのでありそこに水をさすようなアクションは、結果として合意形成の障害になってしまいます。行き過ぎた会派主義は議論の幅を狭めてしまうし、会派・政党批判の傾向が強まることで、議会の合意をつくることがより困難になります。
議会改革というテーマは、会派・政党を超え、ニュートラルな立場で議論すべきテーマです。
*資格要件
議員は、任期中(原則として1回)海外視察を実施できる。ただし、議員としての経歴が2年に満たないものは除く。
*旅費
旅費の上限額は120万円とする。ただし、1期の議員は、60万円
〜つぶやき〜
なんで、2期と1期で倍、半分なの?この考え方が、実は、最も特権意識があらわれていたりして。変なの〜