ごみの22分別/水俣市

常任委員会市視察法告

水俣市では、93年から、ごみの分別収集が始まっています。市民の積極的な参加が無ければ継続できなかったであろう、日本一厳しい22種類の分別は、水俣病の経験から、環境に配慮したまちづくり「環境モデル都市づくり」として始まりました。 例えば、収集全日に配られた分別用のコンテナは、エリアごとに市民が用意します。それぞれ、ごみ出し時間や、雨天の際の収集ルールなどを決め、円滑な収集ができるように自主的な取組みがされています。中学生も、自分の暮すエリアのごみ出しの日には、部活を休んで地域のごみ出し活動に参加すると言った話も聞かれました。高齢者や障がい者への分別免除の制度も作られています。
また、16団体で構成される「ごみ分別女性連絡会議」は、事業者への協力を呼びかけトレー廃止運動に取組み、大型商店と協定を結び、86品目のトレーが廃止されています。こういった様々な取組みによって、92年に0%からスタートしたゴミのリサイクル率は、2004年は41、2%にまで高まりました。しかし、気になるのが、ごみの排出量にあまり変化が見られないことです。
92年、ごみの排出量は10、008トンでしたが、その後、リサイクル率が16.4%となった99年には11、372トンと増加しています。2004年は、リサイクル率41、2%、ごみ排出量が9、278トンとなっていますが、人口減少が進む中、一人当りのごみ排出量で比較すると、92年が293・、04年は312・とむしろ増加しています。となると、これだけ、徹底した分別をおこなっても排出抑制の効果は得られないということです。
あとは、コストの比較です。2005年度は、2004年度に比べ133トン減少しているにも関わらず、2004年度の市民一人当たりのごみ処理経費は12、659円、2005年度は12、790円とわずかながらアップしています。
水俣市の担当職員の方も、「出して分別だけでなく出さない工夫が必要」とおっしゃっています。
ゴミの問題は、出口だけでなく入り口の制度を整えなければ、市民の努力は報われないということをあらためて実感しました。