北京JAC第10回シンポジウムに参加しています。この10年間に日本の女性団体が行なってきた女性運動を検証し、今後にむけての議論が行なわれています。
「北京JAC」は、1995年、北京で開催された世界女性会議をきっかけに、ロビイング団体として発足しました。
12日の全体会では、厳しい軍事政権下におかれ、儒教社会の強い韓国で女性運動を担ってこられたチャン・ヒョン・ベクさんから基調報告がありました。
韓国では、この10年、女性政策は大きな前進がありました。3大女性人権法の制定(性暴力特別法、家庭内暴力防止法、性売買防止および被害者保護などに関する法律)、そして、今年3月に実現した戸主制の廃止は高く評価されているところです。2001年に女性省の設立以降、45の中央行政機関に女性政策責任官がおかれ、自治体にも女性政策を担当するセクションが設立されるなど、その意義は大変大きいものでした。首相の傘下につくられた女性政策調整会議にも、職員やウリ党議員が参加し、ここでも、両性平等に向けて意識改革が進んだそうです。そして、ジェンダー視点を持った予算編成という課題に対しては、性別影響評価制度も導入されましたが、今後、この制度が機能していくためには、民間女性団体の運動が不可欠との事です。
また、重要な課題としてあげられたのが、「貧困の女性化」現象とパートタイムの増大。韓国にもグローバリゼーションの波が押し寄せていまます。
そして、分断と軍事主義は、国防費を増大させ、人間の安全保障と関連して女性の地位が著しく後退してしまったという報告もありました。
これらに対し、あらためて、「上からも下からも」ジェンダー平等に向う努力をする、「男性とともに」運動する、そして、貧困の克服にむけては「社会的サービス」を大胆に創出していくことでオルタナティブな社会をめざしていくそうです。(同感!)そして、まず、生活を変えていくという視点から、「少なく生産し少なく消費する」というライフスタイルを提起されています。
同時に、市民レベルの国際連帯が重要であり、オルタナティブ・グローバリゼーション運動を各地で進めていくことも提起されました。
同様の課題を抱える私たちも、ローカル&グローバルの視点を持ち、ともに運動をつくり出す努力をしたいと思います。