憲法について、さまざま議論がされていますが、多くの人々は、それを距離感を持って見つめているように感じます。
そんな中、「市民立憲フォーラム」での議論を聴く機会を得ました。市民立憲フォーラムでは、憲法論議を「護憲・改憲」というような視点を狭めた論議に終わらせず、憲法を市民のものとしていくことをめざして自由な議論が交わされています。人々の意志、身近な地域の政府の意志を大事にして市民が憲法を「立てる」ことから議論を始めることで、私自身も、「国民の義務を市民の権利と捉え直す」という意識が喚起されました。 神奈川に暮らす私たちは、人々の助け合いによってコミュニティの機能を豊かにし、地域の安全保障システムをつくってきました。そして、このような地域政治に参加する市民の実践現場で、必要な課題を解決するための条例づくりに積極的な取り組んできました。市民立憲フォーラムでは、これが「民の憲法」への入り口であり、市民の政府の内実を高めることでもあるという考え方を提示しています。
社会に広がる相互不信感から、公権力への依存、監視型社会への流れが強められ、世界に目を向けても、「相互不信と軍拡」という負の連鎖は続き、特に、アジアの国々との緊張が高まっています。このような時代の転換期にあって、あらゆる地域の人々との人権を尊重した助け合う関係を広げることをめざすローカルパーティとして、市民の側から、どのような政府をつくるのか、そのためにどのような「法」が必要かといった視点からの憲法議論をすすめていく意義は大きいと考えます。