国際交流を通じて

Teaching is learning.

青葉区で、国際交流や在住外国人の支援の活動に参加されている「青葉国際交流ラウンジ」の佐藤洋子さんと、NPO法人WE21ジャパン青葉の本阿彌久仁子さんをゲストにお招きし、新年第1弾のトークサロンを開催しました。 青葉国際交流ラウンジは、市内に5か所ある国際交流拠点の一つで、横浜市の委託を受け、地域のボランティアの方々が運営されています。かつて、大和市の難民定住センターの方たちの日本語習得のサポートのボランティアをされたことをきっかけに活動が広がり、今年で15年目を迎えられます。
現在、青葉区には、人口の1%にあたる、およそ3000人の方が外国人登録をされており、国際交流ラウンジ主催の日本語教室には、30ケ国、約150名以上の方が参加されています。
佐藤さんや、海外で生活された経験のある方からは、各国の方々との交流を通じて、世界情勢を自分の生活に結びつけて考えることや、時に、政治的な見解も含めて率直に意見表明し、意見交換できる関係の重要性を学ぶことも多いというお話がありました。
また、帰国子女を抱える家庭からの相談も多く寄せられ、その多くは、子どもたちが、日本の学校で、ストレスを抱えてしまうという事例だそうです。それは、日本の教育現場で、子どもたちの自己決定や意見表明の権利が保証されていないということや、多様性や異文化を受け入れる事に対して寛容さに欠ける現状を表していると言います。
今年中にも改正されようとしている、「教育基本法」についても、中教審の答申からは、「個の尊重」よりも「公=日本国への奉仕」に重きを置いていることが読み取れます。
外国人からは、日本のホテルで外国人の受け入れが1%程度しか行われていなかったり、外国人に対して、個人情報の扱いも含めて、監視強化などのしめつけが行われてしまうことへの不安や不満の声もあがっています。
これは、日本の社会の階層化が進み、異質な者同士でなくても、コミュニケーションが成立ちにくくなっているといった現代社会が抱える課題とその根本は同じなのではないでしょうか。
一人ひとりが成熟した市民であることから国際性も生まれるという、佐藤さんの言葉が印象的でした。
市民があらゆる情報を手にし、自己決定できるしくみづくりを進める必要性も確認しました。